子どもの矯正は歯並びをキレイにすることだけが目的ではありません
皆さんは「矯正治療=歯並びをキレイにする」というイメージが強いと思いますが、子どもの矯正治療(小児矯正)においてはそれだけではありません。小児矯正の目的は「歯並びを整える」以外にも「顎骨の適正成長を促す」ことも非常に重要です。
なぜ歯並びが悪くなるのか?
歯並びが悪くなるのは、顎の骨の成長が不十分で、歯が収まるスペースが足りないことが原因で起こります。
つまり、顎の骨の成長が正常に行なわれ、歯が収まるスペースも十分で、位置も本来の場所に導くことができれば、自然と歯並びはキレイになるわけです。つまり、骨が成長中である小児に行う矯正治療は、顎の骨の成長を適正に促すことが目的となります。顎の骨の成長を適正に促すことを専門用語で「咬合誘導」と呼びます。
小児矯正で使用する装置
代表的な小児矯正装置① オーバーレイ
咬み合わせの高さが低すぎることで、顎の骨の正常な発育が妨げられている場合に最適な矯正法です。この治療では、奥歯にプラスチックや銀歯のかぶせ物を装着することで、咬み合わせの高さをつくり、下顎の位置を整えていきます。
代表的な小児矯正装置② ワイヤー矯正
オーバーレイによって咬み合せの高さと、下顎の位置を整えた上で、ワイヤーを取り付けて歯並びを調整していきます。ワイヤー矯正とオーバーレイの組み合わせ治療によって歯並び、下顎の位置を調整していきます。
子どもの矯正治療を始める時期
子どもの矯正治療は、小学校3~4年生くらいがベストな時期です。永久歯になってからの矯正治療では顎の位置や成長方向を改善するのは難しくなります。小学校5~6年生になると乳臼歯(乳歯の臼歯)が生え変わりでなくなっていき、早期治療ができなくなります。
早い時期に治療を行うことで、永久歯になってから始める矯正治療よりも金額が安く済むというメリットがあります。