「顎変形症」とは

日本顎変形症学会「顎変形症に関する基礎知識」より抜粋

顎変形症とは?

一般に上顎あるいは下顎が前に伸びすぎていたり、逆に顎が小さいなどで上下の歯の噛み合わせが大きくズレてしまっていたり、あるいは顔が非対称で歪んでいるような場合は「顎変形症」と総称される病気である可能性があります。このような状態ですとうまく噛むことが出来ませんし、言葉が聞き取りづらいなどの様々な症状がでてきます。また、「受け口」などと言われて容貌に一人悩む人も少なくありません。他にも前歯が出ている、顎が横にズレている、なども問題になってきます。まだ小さい子供のうちは歯の矯正で対処できることもありますが、成人してからは時間的、社会的な制約だけでなく医学的な理由からもなかなか治療することは難しくなってきます。現在ではこのような方々に対しては多くの場合、矯正治療に「顎矯正手術」を組み合わせることで、治療することが可能になっています。

顎変形症手術とは?

顎変形症に対する手術には大きく分けて二つあります。上顎骨、下顎骨といった骨全体を手術で前後、上下、左右に移動したり(骨切り術と呼びます)歯を含む骨の一部だけを切って動かし、噛み合わせと容貌を正しく整えるやり方です。手術は全身麻酔下で行い、移動させた骨はからだに為害作用のない材料でできたネジやプレートで固定します。顎の安定が図られるよう、顎間固定といって上下の噛み合わせを固定した状態で手術は終了しますが、これも一週間ほどの辛抱です(ただし手術方法によっては三週間固定する場合もあります)。基本的にすべての操作を口腔内で行いますから、顔の外にずっとあとまで残る手術痕を作ることはありません。あっちの骨をこっちへやったり削ったりすると、まるで積み木遊びか木工細工のようですが、実はそれほど単純ではなくて少々問題があります。ご存知のように顔には色んな感覚器官が集中していて血液の流れが豊富です。骨の中にも太い血管や神経が通っていますから、切る位置や方向、量には様々な制約や限界があります。したがって誰もが望み通りに顎の形を自由に変えられるというわけではありません。顎変形症手術の計画にあたって一番大切なのは、患者さんにあった適切な方法(矯正治療と手術との組み合わせなど)を探すことです。決して見かけだけの改善に終わることなく、顎顔面の持つ重要な機能の調和を目指して、患者さんと共に治療法を模索し、最良の結果が得られるよう努力しています。

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