成人矯正の基礎知識(不正咬合の原因)

大人の歯科矯正・成人矯正

顎顔面骨格の動的バランスと骨格性不正咬合を生む理由

下顎前突症および上顎前突(下顎後退)症の比較


下顎前突症では頭蓋の前後的長さが短く、頭蓋底の屈曲が強いため、下顔面はより垂直的に発育します。ポステリアーディスクレパンシー(奥歯の悪いポジション)が大きくなることで、後方臼歯が過剰に生えることによって咬合平面はフラットになります。

一方、上顎前突(下顎後退)症では、頭蓋は前後的に長く伸び、上顎骨は前方回転するため、前歯は唇側に傾斜します。ポステリアーディスクレパンシー(奥歯の悪いポジション)は大きくなく、臼歯部の高径は低い傾向となるため、下顎は後方に適応して側頭骨に圧迫を加えることになります。

咬合高径と顎顔面骨格の成長

大人の矯正3-10
咬合高径と顎顔面骨格の成長には密接な関係があり、過剰な垂直的・咬合高径の増加は、前歯部の開咬(オープンバイト)や下顎前突症(ClassⅢ)を生みます。逆に咬合高径があまり増加せず、咬合平面が急峻(急傾斜)になる場合は、下顎が後方に回転して開口を伴う上顎前突(下顎後退)症(ClassⅡ)を生みます。

骨格性反対咬合(Ⅲ級)(受け口)になる理由

大人の矯正2-29
骨格性反対咬合では上顎骨の垂直的下降の要素が強く、また後方臼歯が生える余地が少ない(ポステリアーディスクレパンシー)ため咬合平面も極端にフラット(平坦化)になります。これに対して下顎は、大きく前方に回転して咬合を適応させようとするので、結果として下顎は前方位を示し、また適応能力の差によって前歯部の開咬状態を示すこともあります。

骨格性反対咬合が発生するイメージ

大人の矯正2-30
下顎前突症では、骨格の動的バランスが垂直的であり、過剰な咬合高径の増加が下顎の過度な前方への適合を誘発します。

骨格性上顎前突(下顎後退)症(Ⅱ級)(出っ歯)になる理由

大人の矯正2-31
骨格性Ⅱ級では上顎骨の前方回転の要素が強く、また後方臼歯部の垂直的高径の増加が不足し、後方部の咬合平面が急傾斜のままで湾曲も強くなります。このような環境下では、下顎の運動に伴い後方臼歯が強く干渉するので、下顎は後方回転し、結果として後方位をとるようになります。

骨格性上顎前突症になる理由

大人の矯正2-32
上顎前突症では骨格の動的バランスが水平方向で、大臼歯部の咬合高径の不足により下顎の後方適応あるいは後方回転を引き起こします。その結果、顎関節には強い圧迫が加わることになり、高確率で顎機能症害を生みます。

 

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